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TOC思考プロセス THINKING PROCESSES

組織の中に変化を生み出し、実行するための体系的なアプローチを提供

TOC思考プロセスは、「組織の中に変化を生み出し、実行するための体系的なアプローチを提供するもの」です。つまり、組織のゴール(目的)に向かって変えるべきものと変えなくてもよいものとを明確にし、変えるべきものをどのように変えていくか(変化させていくか)を明確にする、組織的な問題解決です。
そしてこの変化を起こしていくために、3つの質問に答えながら、同時に変化への6つの抵抗を打破しながら展開していきます。
3つの質問に答えてゆくために、5つのツリーが用いられます。
このツリーを作成することにより客観性と論理性が確保され、同時にツリーを作成するプロセスにおいてコミュニケーションを深めることにより、関係者の納得度合いが高められ、変化への抵抗も少なくなります。
そのアプローチは、下記の3つの質問に答えながら展開されます。

「何を変えるか」

組織の中に存在する方針上の制約を発見することである。

「何に変えるか」

方針上の制約をどのようなものに変えるかである。
その時、更に次の2つの質問に答えなければならない。
 ・この変化は我々が望む結果を現実にもたらしてくれるだろうか
 ・変化に反対する人々に我々は何が期待できるだろうか

「どうやって変えるのか」

「何を変えるのか?」は組織・システムの現在の状態を把握することであった。
「何に変えるのか?」は組織・システムの将来をどのようにしたいものかを決めることであった。
「どうやって変えるのか」はまさに現実と将来のギャップを埋めるためにどうしていくかを決めることである。
その時、更に次の3つの質問に答える必要がある。
 ・このアイデアの実行に当たってはどんな障害があるのだろうか
 ・どのようにしてその障害を克服していったらよいのか
 ・アイデアを現実のものとするためには、今から何をやったらよいか、そしてどんな順番でやったらよいか

しかし、人は変化に抵抗する。


方針制約打破の難しさ

方針制約を打破するためには、次の2つのことが重なって困難さが伴います。

「何が方針制約であるか」正確に特定することの困難さ

どの方針が結果を引き起こしているか正確に特定することは難しい。複雑な原因と結果の連鎖を追跡していくことは大変難しく、それゆえ認識されない問題は解決されないままになっている。それゆえ、時には根本的な原因の代わりに、明らかな現象や好ましくない結果のみに努力は集中される。

「方針を制約として正確に認める」ことが十分でない

方針である制約は、時にはそれを一緒に変えていってもらいたい人の責任の範囲内にあることがある。
TOCでは、上記のような困難さを6つの抵抗の階層に区分して、それぞれに対応します。


抵抗の六つの階層を打破するツリー 問題解決へのコンセンサスを得る

1.対応しようとしている問題を、問題として認めない

「問題」の捕らえ方の違いから来る抵抗である。人はそもそも「問題」とは思っていないものを他から「問題だ」と言われても、素直に認めることは少ない。仮に「問題」であると認識していたとしても、他からは「別の問題」として指摘されることもある。あるいは、多少はかかわりがあるにしても「俺の問題ではない」という意識は強く根深い。
「解決しなければならない問題はなにか」をそれぞれ別々にとらえていたのでは、解決への一歩も踏み出すことはできない。先ず始めにしなければならないことは、「解決しなければならない問題は何か」について関係者のコンセンサスを得ることである。
現状構造ツリーの作成に参加することにより、意見交換などを通じてコンセンサスが形成される。
出来上がった現状構造ツリーは、厳密な因果関係で問題の構造をあきらかにする。その論理構造を説明することにより、第三者とも問題の認識を共有することができる。ツリーがコミュニケーションの有効な手段となり、「解決しなければならない問題は何か」について関係者のコンセンサスを得ることができる。

2.解決策の方向性に同意できない

次のハードルは、解決の方向についての意見の違いから来る。複数の部門にまたがる問題では所属部門の利益を優先し、全体最適の解決策に抵抗を示すことが頻繁に見受けられる。
対立解消図は中核問題の対立の背後にある仮定や思い込み(アサンプション)を表面化させ、その中で、いくつかのアサンプションの正当性を無効にするアイディアを浮かび上がらせる。
正当性を無効にする論理性を共有することでコンセンサスの形成が容易となる。

3.解決策が問題を解決するとは思わない

果たして提案された解決策が好ましくない結果(UDE)を好ましい結果(DE)に変えることができるのかが次の疑問である。
これに対しては、未来構造ツリーで、いくつかのインジェクションを注入することにより、厳密な因果関係をたどり、すべてのDEが達成されることを示す。
関係者から、直観に合わないエンティティーや因果関係が指摘されたときは積極的に傾聴し、論理性の検証を行いツリーの完成度を上げると共にその過程を通してコンセンサスの形成を図ることができる。

4.この解決策は、もし、実行するとマイナスの影響を引き起してしまう

解決策の実施によって起きると予想される弊害も抵抗の大きな理由となる。
未来構造ツリーでシミュレーションすることで、起きるであろう弊害を予測し、あらかじめ手を打つことができる。
未来構造ツリーでのシミュレーションにより、予想される弊害はすべて出し尽くし、それぞれ対策がとられていることを共に確認できるために、コンセンサスを得ることが容易となる。

5.提案されている解決策の実行を妨げる障害がある

6.その結果起こる未知のことへの恐怖感

具体的な実行の段階では、様々な障害がある。実行計画の立案には実行に携わる組織、人を巻き込んで、実行計画の内容の充実を図ると共に、プロジェクトへの参画意識を高めることは、コミットメントを確かなものにするためにも必要である。


TOC思考プロセスの五つのツリー

現状構造ツリー

「何を変えるのか」を明らかにするツリーであり、システムの抱える問題構造を明確にし、変えるべき中核問題を見つけ出す。
システムの目的達成を拒む様々な身近な問題を「好ましくない結果(UDE;Undersirable Effect)」と呼び、それぞれのUDEの因果関係をたどっていくと、それらに共通する中核問題にたどり着く。
その中核問題こそが身の回りで起こる様々な問題を引き起こし、システムの目的達成を拒んでいる構造を明らかにしてくれる。
その中核問題こそ「変えなければならないもの」である。

対立解消図

「何に変えるのか」に答えるものである。中核問題が解決されないままの状態になっているのは、対立があるからだと考える。
その対立の構造を明確に表面化し、それぞれのエンティティー間の背後(矢印の背後)にある仮定や思い込みを表面化させ、それを無効にする解決策を考え、対立を解消していく。

未来構造ツリー

「何に変えるのか」に答えるもので、解決策が有効かどうかを検証していく。
解決策(インジェクション)を実行していくとどうなるか、好ましい結果が生じるかどうか、現在より未来に向かって解決策の検証をしていくものである。
検証の最後として、解決策を実行することによる新たな障害(ネガティブ・ブランチ)を発見し、新たな解決策を考えて実行を確かなものとする。

前提条件ツリー

「どうやって変えるのか」の問いに答えるものである。
前提条件ツリーの目的は、目的(インジェクション;注入)達成に向けてどんな障害があり、それをどう克服していくかを明確にするものである。
それは必要条件関係で構造化され、目的達成に向けて前途にどんな障害があり、それを取り除くためにどんな克服策があるかを、論理的に展開するものである。

移行ツリー

移行ツリーは、目的達成のための行動計画を作成するのに使われる。移行ツリーによって、移行自体がどんなものとなるか、途中での中間の実体を明確にしながら、現在の状況を将来の状況(目的)に変換する特定のステップ(行動)を明確にしてくれる。


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